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# クラウドファンディング # 政府

政府は何%までクラウドファンディングだけで運営できるのか?

予算作りの分散化と新たなガバナンス
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「タスクごとに責任を完全分離する」のではなく、逆に共同作業可能なタスクは限界まで一緒にやろうとする。たとえば一つのファイルをリアルタイムで複数で編集する「同時編集」はそんなやり方だ。同時編集によってかえって責任分担を巡るトラブルが減る、という話が前回(http://21edu.info/articles/-/66893)だったが、作業時間を分離できない&みんな限界まで忙しい、そして、新しい仕事のやり方を言い出すこと自体面倒、という課題が残された。単なる作業の方法から社会制度を巡る思想へ移行する第2回。

「大きな物語」自体にパッチをあてる

実は、同時編集をしようと提案したり、その利点を説明したりするのが面倒、という感覚は(副次的なものではなく)本質的な困難だと思います。

既存のやり方が慣習化している場合に、わざわざ新しい方法を導入するには、大きな外圧、もしくは大きな希望が必要で、面倒、というのは要するにそういうものが欠けている兆候です。

ここでいう「大きな希望」は、たとえば、昔、「大きな物語」と呼ばれていたもので、社会全体を大きく変動させる、たとえば「共産主義革命」の必要性のようなものを指します。

20世紀、「大きな物語」は基本的に独裁者による大量虐殺のような悲劇をもたらすだけで、良い帰結はありませんでした。

人は簡単に理想をチートし、従うだけの狂信者はいくらでも作れる、というのが「大きな物語」が与えた数少ない教訓です。その反省を踏まえ、大きな制度変更ではなく、現状のパッチあてを繰り返そう、という「革命」の路線変更が現在に至るまでのトレンドです。

しかし、「大きな物語」なしのパッチあて作業だけでは、「面倒」を超えられず、結果として何もできなくなる、という見立てのもと、では、「大きな物語」自体にどうやってパッチを当てればいいのか?を考える集団として、筆者はVECTIONを作りました。

 

話を戻して、では、この文章の文脈で、「希望」とはなんでしょう?

それを考えるヒントが、前回も触れた、「(2)中抜き」や「(3)水増し」を減らし、かつ「ピラミッド建造」による需要創造効果は別の方法で担保する仕組みは作れないのか?という問いです。

その仕組みが具体的なら、同時編集というローカルでミクロな変化は、マクロなスケールに繰り込まれても意味のある変化をもたらすという希望を伴うでしょう。

その時「面倒」の障壁を超えて同時編集を取り入れる個人や組織も増え、「個人から抜け出た気分」を共有する存在も増えていく可能性があります。選挙に行ったり、デモに参加するのも相当面倒な作業ですが、その行為に個人的な希望(もしくは利害)を持つ人なら、なんとかこなしていますから。

そこで、上の条件を満たすかもしれない仕組みの例として、これもVECTIONで出てきた「クラウドファンディング化された政府」というちょっとしたアイデアを紹介します。

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