〔PHOTO〕iStock

なぜいまビジネスの世界で「哲学」が求められるのか

哲学×広告〜対極からみる社会の未来像
シェア ツイート ブックマーク
テクノロジーが急速に進化し、情報が広告化する世界において、いかに考え、いかに伝えるか。哲学者・岡本裕一朗と広告マン・深谷信介が対話して見えてきたものとは――(本稿は『ほんとうの「哲学」の話をしよう』の一部を再編集したものです)。

人間とAIがどうなっていくか

深谷  ビジネスを取り巻く環境は急速な変化を遂げており、数年先の未来さえも予測不可能です。近年広告などビジネスにおいて、プロセス変革への期待が高まっていて、物事の根本的かつ普遍的な価値を問う哲学的アプローチが注目されています。

岡本 「哲学と広告」と言えば、今まで重なることのない無縁の領域と見なされてきましたが、哲学と広告の関係をとらえ直し、今後の可能性を探る、『ほんとうの「哲学」の話をしよう』を深谷さんと共著出版しました。

ここでは、社会の未来像について少し考えてみたいと思います。

 

深谷  いま、人々の関心は、AIとの共存、AIとの協業、そういったことをベースとしての人間のあり方、生き方にあるのではないかと思います。広告から見ていまのAIは、かたちをもたないはじめてのメディアなのかもしれないと思っています。

メディアの変遷を振り返ると、新聞や書籍というかたちある紙媒体が生まれ、ラジオやテレビという電波媒体が登場します。電波自体は見えませんが、それでもラジオ・テレビという専用の受信機・受像機が必要です。

インターネット時代になっても、パソコンやスマホというかたちを介して情報を入手します。人はかたちあるものに意味を付加しやすい。おしゃれとか、便利とか快適とか、知識を得られそうとか、信頼できるとか……。

でもAIはロボットという装いを身にまとういっぽうで、プログラム言語という点でかたちをもたないとも言えます。

AIを可変自在なメディアととらえると、広告的にはすごくおもしろいと思うんです。情報の入れ方出し方もまた、いろいろなかたちで変容するだろうし、それに対しての対応力も、いまの人間にはある気がします。

岡本  AIというとすぐにロボットをイメージするのですが、ロボットのような個体的なイメージよりむしろそれはネットワークにつながった一つのシステムだと考えるほうが妥当で、そう考えれば難しい問題でもないと思うんですね。

ここで重要なのは時間軸で、人間とAIがどうなっていくかは、時間軸をどれぐらいにとるかによって大きく違ってきますし、さまざまな段階を経ていくのだろうと思います。

これを時間軸抜きに考えると、とんでもない話になってしまいます。最終的には人間もAIもすべてネットワークにつながれてしまいますから。

深谷  時間軸ですか?

岡本  はい。たとえば、10年程度で考えるときと、100年ほどの幅をもって考えるときではおそらく展望がまったく変わると思います。10年ほどであれば、AIはあくまでも道具であり、その自律化ということは問題になりません。しかし、100年先はどうなるか。これはまったく違うシナリオが描けるのではないでしょうか。

記事をツイート 記事をシェア 記事をブックマーク
お知らせ
お問い合わせ
特定商取引法に基づく表記
現代ビジネス広告掲載について
マネー現代広告掲載について
コンテンツマーケティングについて
プライバシーポリシー
21edu オフィシャルウェブサイト